こんにちは、食べることが大好きな えりか です!
今回はイタリア語でのお肉の名前、今回は「牛さん」のお肉の部位についてご紹介します。
お肉を購入する際、「なにがなんだか。。」「イタリアでは少し難しい。。。」
そう感じているのは筆者だけではないと信じ、ご紹介していきます。
各部位の情報と、イタリアでの調理例をご紹介していくので、
なんとなくこんな部位かとイメージしていただけると幸いです。
また引用元のリンクから、レシピ(イタリア語)に飛ぶことが可能です。
ご興味のある方は是非ご覧ください。
「牛肉」はイタリア語で?
部位についてご紹介していく前に、知ってきたいことがあります。
それは、牛肉も年齢や性別によって呼び方が異なるという点です。
食用の「牛肉」はここイタリアでは細かく分けて、下記のように5つに分けることができます。
しかし、筆者の経験上ほとんどは「Vitello(ヴィテッロ)」と「Manzo(マンツォ)」のこの2種類が主に市場に出回っているため、この2つを覚えておくと問題ありません。
以下は、細かく分けた際の分類の様子です。
お店やスーパーで見かけた際はぜひ、参考にしてみてください
・Vitello(ヴィテッロ)・・・子牛(生後8ヶ月未満)
・Vitellone(ヴィテロッネ)・・・若牛(生後12ヶ月未満)
・Bovino adulto(ボヴィノ アドゥルト)・・・成牛 (生後12ヶ月以上)
・Manzo(マンツォ)・・・成牛 3~4歳の雄牛(去勢済み)
・Bue(ブエ)・・・4歳以上の牛(去勢済み)
ちなみに、イタリア語で牛さんのことを「Mucca(ムッカ)」と言いますが、
こちらは乳牛のことを指し、食用の牛さんのことではありません。
牛さんの部位
まずは、イタリアでの牛さんの部位の図です。
イタリアのサイトからお借りした図と、日本のサイトからお借りした図を比べながら
ご紹介していきます。
そして下記が日本の牛さんの部位です。
イタリアの方が若干細かいようです。
引用元:OBC
部位の名前
下記は、それぞれの部位をイタリア語と日本語表記したものです。
(番号は上記のイタリア語の表に書かれているものとなります)
*地域によって異なる呼び方をしている場合があるので、ご注意ください。
ナンバー | イタリア語 | 日本語 |
1 | Filetto | ヒレ/ フィレ |
2 | LombataまたはRostbeef | サーロイン |
3 | Costata | リブロース |
4 | Scamone | ランプ |
5 | Fesa | 内もも |
6 | Noce | シンタマ |
7 | Sottofesa | 外もも |
8 | Girello | 外もも |
9 | Geretto posteriore | スネ |
10 | Copertina di spalla | 肩バラ(カルビ) |
11 | Sottospalla real または real | 肩首ロース |
12 | Biancostato | 中バラ |
13 | Pancia | 外バラ |
14 | Punta di petto | 肩バラ |
15 | Geretto Anteriore または Stinco | スネ |
16 | Muscolo spalla | 肩バラ |
17 | Girello di spalla または Fusello | 肩バラ |
18 | Copertina di sotto | 腕 |
19 | Fesone di spalla | 肩バラ |
* | Trippa | トライプ(胃) |
* | Lingua | タン |
各牛さんの部位について
では、詳しく上記の表の番号順に、各部位についてご紹介していきます。
1. Filetto/ヒレ
イタリア語でヒレの部分は「Filetto(フィレット)」と呼びます。
似ているので比較的覚えやすいですね。
イタリアでもフィレは日本と同様、ステーキなどにしにして食べられることの多い部位です。
脂肪分も少ないので、ダイエット中でも時には摂取するように言われるほどです。
Filetto di manzo in casseruola(フィレ肉の煮込み)
引用元:Gustissimo.it
プレツェモロ(prezzemolo)というパセリと一緒に短時間煮込んだフィレ肉です。
写真で見るだけでも美味しいのがわかるほど。
2. LombataまたはRostbeef/サーロイン
サーロインといえば、そうステーキですよね!
ここイタリアでもこの部位は、多くの場合でステーキにして食べられます。
ステーキはイタリア語で「Bistecca(ビステッカ)」と呼ばれます。
お肉屋さん(伊:macellaio(マチェッライオ))などで購入する場合は、「Bisteccaが欲しい」というとサーロインを出してくれる場合が多いです。
(もしくはその日のおすすめなど)
Lombata di Manzo al Forno (サーロインのオーブン焼き)
引用元:fragolosi.it
こちらもシンプルです。
220度のオーブンで焼き上げてサーロインです。
塩と胡椒というシンプルな味付けと、少々のオリーブオイルでコクを出します。
イタリアのお肉は日本のものより脂分が少なく淡白なものが多いので、オリーブオイルをかけて食べることもよくあります。
3. Costata/リブロース
こちらも日本ではよくステーキ(Bistecca)に使われる部位です。
フィレに比べて少しだけ脂身が多い部分です。
こちらもイタリアでは「ステーキをしたい」とお肉屋さんに注文した際に出される部位です。
Bistecca (ステーキ)
こちらも鉄板で焼き上げた簡単な料理です。
塩胡椒、オリーブオイルで味付けをし、ローズマリーを添えていただきます。
これまでの3種類の調理法でもわかるように、
イタリアでは結構シンプルな料理が多いのです。
素材の味を楽しむ、というような習慣を感じます。
4. Scamone/ランプ
ランプは日本でも大人気の部位で、一頭からもごく少量しか取れないので貴重な部位です。
赤身にも関わらず、ジューシーでヘルシー。そして柔らかい肉質が多くの人に好まれます。
イタリアではあまり、よく聞かない部位です。
(もしかするといつの間にか食べている可能性もありますが、この部位の名前をあまり耳にすることはありません)
Scamone al sale con salsa verde ai pomodori secchi(ランプのドライトマトのグリーンソース添え)
こちらもシンプルにステーキで食べられることが多い部位ですが、このレシピのように少しアレンジして食べられることもあります。
こらはドライトマトとケッパーで作ったソースをかけていただきます。
程よい酸味が美味しそうです
5. Fesa/内もも
こちらも比較的脂肪分が少ない部位です。
ローストビーフによく使われる部位です。
Arrosto di manzo(ローストビーフ)
引用先:cooleround.com
野菜などで作ったスープにつけ蒸し焼きのように火を通し、柔らかくなったお肉です。
野菜の旨味も吸い込み美味しい一品です。
6. Noce/ シンタマ
こちらはあまり日本でも聞きなれない部位ですが、脂肪分が少ない赤身のため、ヘルシーでダイエットにもオススメの部位です。
こちらもよく耳にする部位ではないようです。
Noce di manzo lardellato alle noci(シンタマのくるみソース)
くるみのソースを使った料理、イタリアらしいですね。ローズマリーやセージなどを入れさっぱりした味わいに仕上げている一品です。
7. Sottofesa/ 外もも
よく動かす体の部分である外ももは、少し固めではありますが脂肪分も少なく濃いめの味が特徴です。日本ではすき焼きやしゃぶしゃぶなどにしてよく食べられる部位です。
Manzo alla senape(マスタードビーフ)
引用元:Buonissimo.it
イタリアの伝統料理とは言えませんが、マスタードやコショウで味付けした料理です。
日本のように薄切りでお肉を食べることが少ないイタリアはこの部位もやはり塊で調理されることがほとんどです。
8. Girello/ 外もも
日本では、上記のSottofesaもGirlloも「外もも」として扱われることが多いですが、
ここイタリアは細かく区切られています。
Girello di Vitello(子牛の外もも)
こちらも塊で調理します。ハーブや野菜、野菜スープとでじっくり調理したものです。
小牛なので、より柔らかく食べられます。
でもはやり薄切りではなく、塊!っというのがイタリアですね。
9. Geretto posteriore/スネ
ここはコラーゲンの多い部分になります。
スネのあたりの部分のため、骨がついたまま販売されていることがほとんどです。
煮込み料理などにもよく使われる部位です。
ただし、あまり店頭で売っているのを見かけないので、そこまで一般的なお肉ではなさそうです。
OSSOBUCO ALLA MILANESE(オッソブーコ、ミラネーゼ風)
骨をつけたまま調理する料理です。
骨の部分が穴になっているのでOsso=骨、Buco=穴というような名前がついています。
こちらはミラノ風ですが、ローマにもこのOssobucoという料理があり郷土料理の一つとなっています。
10. Copertina di spalla/肩バラ・カルビ
日本でも大人気の「カルビ」の部分、肩バラのパートです。
脂ののった部分で旨味が多い部分です。
塊で店頭に並んでいることがほとんどです。
Copertina di spalla ripiena al forno(肩バラのオーブン焼き)
引用元:alberghiere.it
カルビ部分も豪快に塊です。
これは、お肉の中にさらにサルシッチャなど色々な具材を詰め込んで焼き上げた料理です。
かなりのボリュームだと想像できます。
個人的にはタレに使ったカルビが一押し!笑
11. Sottospalla reale/肩ロース
この部位は、Sottospalle(肩)と、Reale(あご)のあたりの部位です。
煮込み料理や焼き料理に最適と言われています。
(料理例が見つからず・・・)
12. Biancostato/中バラ
日本では、焼肉やBBQなどでよく食べられ部位です。
あばら骨付近のお肉なので、骨つきのまま食べられるこもよくあります。
ジューシーで柔らかくイタリアでもよく食べられています。
Biancostato di vitello(子牛の中バラ)
牛乳とローズマリーなどのハーブと一緒に煮込んだ料理です。牛乳で煮込むことは日本ではあまりないですが、美味しそうですね。
13. Pancia/外バラ
脂肪分の多い部位です。
日本では特上カルビなどにて提供されることがある部位です。
Pancia di manzo con sugo e patate(外バラとじゃがいものトマトソース)
ジューシーなお肉をトマトや他の野菜、そしてジャガイモで煮込んだ料理です。美味しくないはずがありません。ちなみにイタリア人はジャガイモが大好きです。
14. Punta di petto/肩ロース
こちらも脂肪分が多い部位で、日本では「三角バラ」などと言われている部分を指します。
ここイタリアではやはりこれも塊で豪快に調理することが多い部位です。
Punta di petto di vitello in forno alla birra(子牛の肩バラのビールオーブン焼き)
ビールで煮込むことによりより柔らかく調理できるこの料理。玉ねぎやセロリなどと一緒に煮込む、少しさっぱり目に調理された料理です。
15. Geretto Anteriore または Stinco/スネ
日本では煮込み料理などによく使われる部位です。コラーゲンが豊富なのが特徴です。
しかしここイタリアではグリル料理で使われることも多い部位です。
(もちろん色々な調理方法がありますが)
Stinco di vitello alla melagrana(子牛のざくろソース)
引用先:ricette mania.it
お肉とフルーツの取り合えわせはヨーロッパっぽい料理ですね。ざくろの酸味とお肉の旨味が絶妙です。ざくろのビタミンとコラーゲンで、美容にも良さそうです。
16. Muscolo spalla/ 肩バラ
こちらも日本では「肩バラ」と言われている部位ですが、イタリアではさらに細かく分けられています。
Bollito(茹で肉)
人参や玉ねぎ、セロリなどと一緒に煮込んで食べるお肉の料理です。
お肉から出たお出汁はまた別の料理に使われますが、柔らかく煮込まれたお肉も野菜のエキスを存分に吸い込み美味しく仕上がった料理です。
17. Girello di spalla または Fusello/肩バラ
名前が2つ存在しているようです。
この辺りは細かいためか多くの人が区別できないレベルです。(きっとお肉屋さんレベル?)
ですので、なんとなく知っていたらいいぐらいの程度だと思います。
Fusello di manzo con cipolle e alloro (肩バラと玉ねぎと月桂樹)
月桂樹 “Alloro”とイタリア語で言いますが、
なんだかおしゃれな感じがします。
月桂樹の香りと玉ねぎの甘みがお肉に浸みて美味しそうです。
18. Copertina di sotto/腕
こちらは多くの場合、そのまま調理されるというよりはミンチなどに加工され食べられることが多い部位です。ミートソースや肉団子などにして食べられるのがほとんどです。
19. Fesone di spalla/肩バラ
この部位は煮込み料理に最適な部位です。
Cucinare il brasato di manzo(牛肉の煮込み)
引用元:sale pepe.it
トマトなどの野菜、ハーブをと一緒に、ブロードと言われるお肉でとった出汁と一緒に煮込んだ料理です。
Trippa & Lingua (トライプ&タン)
イタリアでは「トリッパ」と呼ばれている部位は、「トライプ」と日本語では言いますが、「胃」の部分に当たります。
結構大量にまとめて販売されてることを目にすることもありますがきっとローマという地域柄も理由の一つだと思われます。
(ローマの郷土料理のひとつに「トリッパ」という料理があります。)
また焼肉では欠かせない「牛タン」。イタリアでは「Lingua」と言いますが、
こちらもいつでもどこでも販売されているのではなくたまに、お肉屋さんやスーパーで目にする程度です。イタリアではタンは薄くスライスした状態ではなく、大きな塊のまま販売されています。
筆者は大きすぎて、抵抗があり未だに買えていません。。
牛肉は切り方や調理方法で注文、購入することが多い
イタリアでは部位でお肉屋さんに注文することももちろんありますが、
「こんなもが食べたい」「〇〇(料理名)をしようと思う」などを告げると、
お肉屋さんが今日の仕入れや、お客さんの好み(常連なら)に合わせて準備をしてくれることも多くあります。
調理法、料理名で通じる「牛肉」
1. Bistecca (ビステッカ)=ステーキ
「ステーキのお肉ちょうだい!」と伝えると「この赤身の多いのがいい?それとも少し脂っぽいの?」と選択肢をくれることもあります。
その日のお店にある、ステーキ用にできるお肉を提案してくれるので、
部位を指定しなくても、自分好みのステーキ肉を購入できます。
2. Straccetti(ストラッチェッティ)=牛肉の薄切り
こちらも「牛肉の薄切り」が欲しいと伝えると、勝手にお肉を選んで機械でスライスして
包んでくれます。もし部位の指定がある場合はもちろん提供可能かを確認する必要がありますが、
お任せしていてれば、美味しいものを用意してくれます。
お肉は信頼できるお肉屋さんで購入しよう
先で少し触れましたが、イタリアでは牛肉や鶏肉(豚肉)やその他のお肉を扱う専門のお店があります。イタリア語で「macelleria(マッチェッレリア)」というお店が存在します。
スーパーでもお肉は購入可能ですが、より専門的にお肉を見極めてくれ、
かつ、昔からあるお店だったりするので信頼度も高いです。
とくにミンチなど個体の見えないものは品質が信頼できるお店で買うのがいいと思います。
近所に好きなMecelleriaを見つけ、通っているうちにどんどん買い物が楽になります。
(うるさい日本人の注文にも言わずとも答えてくれるから。笑)
筆者はお肉はお肉屋さんで買う主義です。
移住してからずっと、義両親も通うこのお店でお肉は基本的に購入しています。
若干、スーパーで購入するよりも高めですが、
普通のイタリア人が頼まないカットの仕方など、親切に対応してくれるので、
ここでこれからもお世話になるつもりです!
初めはスーパーで購入の方が気が楽な気がしますが、
もし身近にいいMacelleriaがあると試してみるといいと思います。
よい、お買い物ができますように!
色々と調べて記載ししましたが、地域によって情報が異なる場合がございます。暖かくお許しいただければ幸いです。
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