“あの頃のローマ”が楽しめる【ブラスキ宮(ローマ市営博物館)】の4つの見どころ(イタリア観光)

観光スポット

ローマ市営美術館のブラスキ宮(Museo di Roma Palazzo Braschi)。

イタリアローマの”昔の風景”を見ることがある素敵な美術館です。

もし、ローマ訪問でこのローマ市営美術館ブラスキ宮にいくかどうか迷っている方、
ここはオススメです。

もし時間が許すのでしたらぜひ足を運んで見る価値はあります!

その際に、知っておくとさらに楽しめる4つのポイントをご紹介します。


せっかく行くのであれば、ぜひこのポイントを押さえて見学してみてください!



と、その前にこの建物ブラスキ宮という名なのですが、
18世紀から建築を開始されたこの建物の、歴史・歩みを簡単にご紹介しておきます。





ブラスキ宮の歴史

ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
ナヴォーナ広場から見るブラスキ宮

建築スタート

ブラスキ宮(Palazzo Braschi)とは、
ローマ教皇ピウス6世(1775年〜1799年)が、甥のルイージ・ブラスキ・オネスティ(Luigi Braschi Onesti)に
渡そうと、エミリア・ロマーニャ州のイモラ(Imola)を拠点とする建築家、コスィモ・モレッリ(Cosimo Morelli)に依頼し建ててもらった建物です。

この建物は、教皇という職がどれだけ豊かなのか、そしてネポテズモ(Nepotesmo)を表す象徴とも言われています。

えりか
えりか

ブラスキ宮はこの甥のルイージの名字が由来のようです!

ネポテズモ(Nepotesmo) とは・・
日本語では「縁故主義」と言い、物ごとの正しさや道理より血縁関係をより優先してしまうことです。権力者が自分の甥のために、聖職者という権利・財・権力を使いこのような建物を建築したことがまさにこの「ネポテズモ」。

建築中断

元々は、1792年にローマのまた違う場所に建築を開始したのですが、
1798年のフランスの占領と依頼者であるピウス6世がなくなったこともあり、建築が一時中断されました。

1802年に建築が再開されましたが、このルイージ・ブラスキ・オネスティの経済的な理由でほぼ完成に近づいていたにも関わらず完成まで至らず。

政治拠点として利用

その後、1871年にイタリアの政府に売却され、
政治的な会議に使用されるようになりファシストの機関にも使用されていました。



ファシストとは・・・
イタリアのベニート・ムッソリーニが1922年〜1943年まで率いていた政治体制のこと。
日本語では「結束主義」といいます。広い意味では独裁や弾圧的な政治体制を意味することも。

人の住処(すみか)に


第二次世界大戦後、家を失った300世帯にこの場所を提供していました。
そのため、暖炉の火などが内部のフレスコ画を傷つけたり、また金目のものが盗まれるなどの被害も発生。


博物館として利用開始

1952年以降は、ローマの博物館の拠点として使用されましたが、
1987年に使用ができなくなり大規模修理を施し、
2002年に未完成ながらも、再度一般公開されるようになりました。

2017年に2階、3階部分を使いテーマごとに展示する現在のような形になりました。


1階部分は一時期間の展示会が行われるスペースです。



展示室のマップ

20部屋からなる展示室ではテーマ別に様々なアートを楽しむことができます。

自画像、モザイク画、フレスコ画、彫刻など様々なジャンルの芸術作品が展示されており
とても興味深く見て回ることができます。


2階 フロアーマップ

 ローマ市立美術館ブラスキ宮の歴史と見どころ

引用先:Museo di Roma


SALA
1)Benvenuti a Roma! (ようこそローマへ)
2)Cristina di Svezia
(クリスティーナ (スウェーデン女王))
3)&4) In mezzo scorre il fume
(川の流れ)
5)&6)&7) La festa in piazza
(広場での祭り)
8)&9) Roma nell’800:trasformazioni
politiche e nuova società
  (ローマ800年の変化、政治と新社会)
10)~15) l volti e le storie
(顔とストーリー)

※日本語名は筆者がつけています。

参照先:Museo di Roma


3階 フロアーマップ

ローマ市立美術館ブラスキ宮の歴史と見どころ

引用先:Museo di Roma



SALA

16) ~19) Roma si trasforma:
Frammenti dalla città sparita
    (ローマ変貌:消えた都市の断片)
20) Il palazzo e il museo
(建物と美術館)

※日本語名は筆者がつけています。

参照先:Museo di Roma

4つの見どころ

1)昔のローマ市を垣間見れる

この美術館の最大の魅力は、ローマの歴史を感じることができることだと思います。

それは数多くの絵画を中心に多くの作品から何百年も前のローマを垣間見ることができ、
当時の市民の暮らしや、このブラスキ宮の前にあるナヴォーナ広場(Piazza Navona)を始めとする今や観光スポットとなっている場所などのローマ市内の様子、当時の休日の様子などを楽しむことができます。

キリスト教芸術が多く見られる他のイタリアの美術館とは異なり、

ここでは “あの頃のローマ” を感じられる作品が多数あり、芸術やキリスト教にあまり詳しくない人でも
楽しみやすいラインナップになっていると思われます。


下記にていくつかの作品をご紹介します。


ナヴォーナ広場と市場(Piazza Navona con il mercato)

1625年〜1644年に描かれたとされているこの絵は、この美術館でるブラスキ宮(Plazzo Braschi)の前に広がるナヴォーナ広場(Piazza Navona)の17世紀の様子です。

現在よりも噴水は少なく、当時はここで市場が開かれており人々で賑わっていた様子がわかります。

ナヴォーナ広場 ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
Piazza Navona con il mercato


Arrivo al Quirinale dell’ambasciatore veneto Nicolò Duodo

こちらは、1714年に外交官のニコロ・ドゥオドがローマのクイリナーレ宮殿(当時の大統領邸)に呼ばれローマに入る様子が描かれています。
写真には入り切らなかったのですが、この場所はは当時のローマへの入り口である「ポポロの扉」、
現在のポポロ広場あたりから入っている様子です。
馬車などはもちろん、とても華やかに出迎えてもらっている様子がわかります。

ちなみにこの作品は、このニコロ・ドゥオドが自らこの様子を描くよう依頼して作った作品とのこと。
彼もきっと嬉しかったんだと、想像します。

ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
Arrivo al Quirinale dell’ambasciatore veneto Nicolò Duodo


Passeggiata al Pincio(ピンチョでの散歩)

1910年に描かれたこの作品は、ボルゲーゼ公園の端にあるピンチョのテラスを散歩する様子です。
夕暮れ時でしょうか。
子供やご婦人、奥には看護師さんが見えます。
当時のローマの人々も、この少し高台になった場所からの眺めを楽しみながらゆったりと散歩を楽しむ習慣があったことがわかります。
今でもイタリア人はこのような散歩が大好きです。

ピンチョでの散歩 ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
Passeggiata al Pincio

2)Antonio Canova(アントニオ・カノヴァ)の作品が楽しめる

アントニオ・カノーヴァ(Antonio Canova)(1757年〜1822年)とはイタリアのヴェネト州のポッサーノ(Possagno)出身の彫刻家です。
裸体の大理石像作品が有名な彼の作品がこのブラスキ宮にはいくつか展示されています。

自画像(彫刻)

1811年〜1812年にかけて作られたアントニオ・カノーヴァの自画像彫刻作品です。
伝統的なヘレニズム文化に従って、彼の目は空を見上げているそうです。

イタリアローマ 市美術館 ブラスキ宮

引用先:http://otpuskvrime.com/ART/CanovaPBraschi.htm

絵画:La famiglia dell’incisore Pietro Maria Vitali

1783年に描かれたカノーヴァの作品です。
彫刻家ですが、絵も素晴らしいです。

イタリアローマ 市美術館

引用先:http://otpuskvrime.com/ART/CanovaPBraschi.htm

カノーヴァの肖像画(Antonio Canova)

およそ1805年にMartino De Boni によって描かれたカノーヴァの肖像画です。
彫刻とは少し異なり、柔らかい雰囲気を感じます。

タリアローマ 市美術館 ブラスキ宮

引用元:goleminformazione

余談:ヴァチカン美術館にも彼の作品が。

こちらはヴァチカン美術館(Musei Vaticani)に展示されているカノーヴァの作品です。
1800年後半から1801年の前半という短い制作期間にて作り上げられたというので驚きです。
ギリシャ神話に登場する怪物メデゥーサを切り落としたベルセウスを表しています。

ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
ヴァチカン美術館にあるカノーヴァの作品

3)モザイク・壁画なども魅力

展示されている作品もとても素敵ですが、建物そのものもの魅了的です。
色鮮やかに彩られた壁画や、天井アート、モザイク画などこの空間自体が芸術だと感じてしまいます。

ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
ある一室
ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
ある一室の天井と壁画
ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
モザイク画
ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
2階に登る階段からの風景

4)ブラスキ宮から見るナヴォーナ広場

3階に上がった際、必ずチェックしたいのがこの窓からの景色です。
屋上に上がることができないため、この建物からナヴォーナ広場を見渡すには3階の窓からの景色がベストです。
天気の良い日に訪れることができると最高ですね!

ブラスキ宮(ローマ市営博物館)がたのしくなる4つのポイント(いいやん!イタリア)
ブラスキ宮3階からみたナヴォーナ広場




では、楽しい旅をしてください!^^

料金・営業時間&アクセス

料金

チケット:大人7~12ユーロ

・*MICカード*があれば無料。1階の特別展示は有料
(※MICカードとはローマ在住者が保有できるカード)
・ローマパス対象

第一日曜日は無料。(1階の期間限定の展示は有料)

詳細は下記、公式ページにてご確認ください↓↓

営業時間&アクセス

営業時間:通常 10:00-19:00 (火~ 土)
     12/24・12/31 10:00-14:00
(最終入場時間は閉館の1時間前)

休業日 :月曜日・12/24・1/1・5/1

住所:Piazza San Pantaleo, 10 – Piazza Navona, 2 – 00186 Roma


アクセス:テルミ二駅からバス40番(Chiesa Nuova下車)・64番(C.so Vittorio Emanuele/Navona下車)、
     もしくは「C.so Vittorio Emanuele (Argentina)」にて下車。(40番も64番も停車します)

ナボヴォーナ広場の目の前のため、ナヴォーナ広場を目指して向かってください。

ナヴォーナ広場前カフェが下にある場所からは入場できないため、建物の反対側まで回ってから入場してください


トイレやクラーク室などの設備もあり、旅には便利です。
下にはお土産や本などを購入できるショップがあります。







参考リンク↓



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